法研の定期刊行誌

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週刊社会保障 2015.6.22 No.2830

株式会社法研 報道部

定価:本体800円+税

発行日:2015年6月22日

B5判 総68頁 

ニュース・フラッシュ

社会保障全般

▼諮問会議は6月10日、「経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(社会保障②)」をテーマに議論するとともに、骨太方針2015の骨子案をたたき台に議論。臨時議員として出席した塩崎厚労相は、社会保障関係費の伸びを「高齢化による伸び相当の範囲内」とすることについて、慎重な姿勢を示す(P.6)
▼政府は6月12日の閣議で平成27年版高齢社会白書を決定し、国会に提出。高齢化率は平成26年10月1日現在で26.0%となり、過去最高を更新。「一人暮らし高齢者に関する意識」では、日常生活の不安として「健康や病気のこと」が最も高い(P.44)
▼自民党の財政再建に関する特命委員会は6月12日、最終報告をとりまとめ、同16日に安倍首相に提出。基礎的財政収支の2020年度黒字化の達成のため、歳出改革のなかで社会保障に関しては、社会保障費の伸びを、「高齢化分の増加と消費税率引上げとあわせ行う機能強化に相当する水準におさめることを目指すべき」と提言(P.14)

医療・医療保険

▼塩崎厚労相の私的懇談会「保健医療2035」策定懇談会は6月9日、提言書を発表し、同日、塩崎厚労相に提出。3つのビジョンを掲げ、ビジョン達成のためのインフラ整備では、後期高齢者の患者負担の軽減等の検証や疾病に応じた負担割合の変更の検討等を提案(P.12)
▼中医協は6月10日、薬価部会、材料部会、基本問題小委、総会を開き、総会では入院医療について議論。平成27年4月の7対1入院基本料の届出病床は36万3900床で、改定前の26年3月から約1万6500床減少。また、27年4月の地域包括ケア病棟は約3万1700床となり着実に増加(P.24)
▼がん対策推進協議会は6月10日、報告書「がん対策推進基本計画中間評価」、「今後のがん対策の方向性について」を座長一任でまとむ。がんの年齢調整死亡率の20%削減目標については、「達成が難しい」として、一層の対策の推進の必要性を指摘(P.15)
▼健康と経営を考える会は6月10日、データヘルス計画と健康経営をテーマにシンポジウム。データヘルス計画について厚労省保険局の大島一博総務課長は、「この3年間が勝負であり、3年後にはきちんとできる水準にもっていきたい」等とのべる(P.30)
▼医療・介護情報活用による改革推進専門調査会は6月15日、「医療機能別病床数の推計及び地域医療構想の策定に当たって」をまとむ。2025年の医療機能別必要病床数は、現状の134.7万床から115~119万床を目指すとする(P.16)

年  金

▼厚労省は6月5日、平成25年度介護保険事業状況報告を公表。25年度末現在の第1号被保険者数は3202万人、要介護(要支援)認定者数は584万人で認定率は17.8%。また給付費は8兆5121億円で制度開始の約2.6倍に(P.56)

論  壇

福祉国家の日韓比較からの新たな問題提起
―福祉レジーム論を考え直す
東京経済大学准教授 金 成垣

時事評論

財政健全化計画の前提条件が重要
一橋大学教授 小塩 隆士