説明
◆ 著者 ◆
鷹野和美(たかのかずみ)
/著
京都創成大学学長
1957年、長野県生まれ。信州大学大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。諏訪中央病院医療ソーシャルワーカー(MSW)、広島県立保健福祉大学(現県立広島大学)保健福祉学部等を経て、長野大学社会福祉学部教授。2008年4月より、京都創成大学学長。東京大学大学院医学系研究科、大分大学医学部兼任。文部科学省専門家パネル委員、長野県地域ケア整備構想委員長、広島県三原市、北海道本別町、同足寄町等のアドバイザーを歴任。ワタミの介護(株)(本社:東京都)、(株)メッセージ(本社:岡山)顧問。19800年代前半に諏訪中央病院で日本初の「老人デイケア」を企画運営、その後は病院コンサル、自治体コンサル、講演活動、海外医療援助等で世界中を飛び歩くところから、「空飛ぶ学者」とも呼ばれる。「チーム医療論」(医歯薬出版)、「看護職のための介護保険マニュアル」(メディカ出版)、「地域医療福祉システムの構築」(中央法規出版)など著書・論文多数。
◆ 目次 ◆
第一章 認知症の何が問題なのか
二人の男前な先輩との出会い
大学から病院に、病院から大学に、を繰り返す
アメリカの退院支援を目の当たりにして
認知症にはさまざまな種類がある
認知症は経験や体験そのものを忘れる
日常生活に支障があるか否か
寿命の延びが認知症をもたらした ほか
第二章 認知症になった人たち、その周りにいる人たち
はだしで出かけ、隣でご飯を三杯食べる義母
患者や介護する家族を守るのも病院の仕事だ
ショートステイ利用で余裕ができ、玄関に靴を並べる嫁
片マヒバンドも陶芸づくりも本物志向
嫁が立派すぎて何もしゃべれない
糖尿病は一病息災というが ほか
第三章 「もの忘れ散歩のできるまち」北海道本別町
北海道の「豆の町」で始まったやすらぎ支援事業
なじみの関係で見守りと傾聴を行う
やすらぎさんが来ると症状が落ち着く
人によって「寂しい」の意味は異なる
認知症の介護劇を町の人が役者になって見せる
認知症発見の障害は息子だ ほか
第四章 小さな福祉国デンマークに学ぶ
アイランド型キッチンで料理するグループホーム
食事をつくる時間があったら入所者の人たちと
コミュニケーション不足が認知症を招く
過去を今につなぎ、未来を引き出す回想法を
小さなときから「自立」を叩き込まれる
デンマークのコミュニケーション・メソッド ほか
第五章 北海道栗山町と本別町のさらなる実践
オオムラサキの里で行われる先進的な福祉行政
ボランティアサービスだけを交換する地域通貨クリン
高齢者のサービス提供力を利用する
町で介護職を育成し、町の施設に就職できる栗山町
詳細な記録作業が「入所者とのコミュニケーション」を生んだ
九交替制勤務が介護施設の問題を解決する!? ほか
第六章 認知症は「生活丸ごとモデル」の地域ケアで
認知症を支えきるためのチームケア
そもそもチームケアって何だろう
唯一絶対の「こうでなければならない」はない
認知症の人を支えられるチーム、支えられないチーム
よい介護施設の見つけ方
四地域で異なる文化圏を持つ長野県 ほか
刊行に寄せて
著者・鷹野和美を丸裸にしてみる 鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)