週刊社会保障 2024.5.13 No.3267

社会保障全般

▼自民・社会保障制度調査会の医療・介護保険における金融所得の勘案に関するPTは4月25日、初会合を開き、厚労省から社会保険料における金融所得の取扱いについて説明を聴取。昨年末の「改革工程」に盛り込まれた「医療・介護保険における金融所得の勘案」(2028年度までに実施を検討)について、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険制度における保険料負担の不公平な取扱いの是正に向けた検討を進める(P.18)

医療・医療保険

▼支払基金は4月23日、各医療保険制度別の2024年度前期高齢者納付金等徴収決定額を公表。24年度の徴収決定額は、前期高齢者納付金が3兆4496億円(対前年度3.9%減)、後期高齢者支援金が7兆1589億円(同4.0%増)。前期高齢者納付金は、24年度からの3分の1報酬調整導入の影響で、協会けんぽは16.0%減の一方、健保組合は6.3%増(P.14)
▼健保連は4月23日、2024年度健保組合予算早期集計結果を公表。24年度の経常収支状況は、経常収入9兆53億円(対前年度予算比4.5%増)、経常支出9兆6631億円(同5.3%増)で、経常収支差引額は△6578億円の赤字。赤字は2年連続。赤字組合は前年度予算から103組合増の1194組合で全体の86.6%(P.6)
▼日本健康会議は4月25日、医療DX推進フォーラム『使ってイイナ!マイナ保険証』を開催。武見厚労相ら関係大臣と関係団体で「マイナ保険証利用促進宣言」を行うとともに、国民向けのPR動画を初公開。宣言では、保険者の役割として、迅速かつ正確なデータ登録の徹底等を掲げる。また、医療機関、歯科医療機関、薬局、事業主、被用者保険、地域保険におけるマイナ保険証の利用促進に向けた取組事例の発表を行った(P.12)
▼社保審・柔整療養費検討専門委とあはき療養費検討専門委は4月26日、厚労省事務局が示した療養費の2024年度料金改定案を了承。改定率は、診療報酬における医科の改定率+0.52%等を踏まえ+0.26%に。柔整療養費では、明細書交付義務化対象の拡大、長期・頻回受療に係る料金適正化(逓減強化)等を実施。あはき療養費では、訪問施術制度の導入等を行う(P.16)

年  金

▼社保審・企業年金・個人年金部会は4月24日、次期制度改正に向けた2巡目の議論に入り、企業年金の加入者のための運用の見える化について議論。他社との比較ができる形で、企業年金の見える化を進める方向(P.20)
▼社保審・年金数理部会はこのほど、2022年度の公的年金財政状況報告をとりまとめ。公的年金制度全体の単年度収支状況をみると、運用損益分を除いた収入総額は54.6兆円、支出総額は53.7兆円、単年度収支残は0.9兆円のプラスに。一方、時価ベースの運用損益は3.5兆円のプラスとなり、公的年金制度全体の時価ベースの年度末積立金は前年度末に比べ4.4兆円増加の250.5兆円に(P.38)

時事評論

被災者支援と地域共生社会
早稲田大学理事・教授 菊池 馨実

論 壇

経済政策としての介護保険
~抜本的な制度改正の必要性~
淑徳大学教授 結城 康博

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