週刊社会保障 2024.9.9 No.3283

社会保障全般

▼厚労省は8月27日の閣議に、「令和6(2024)年版厚生労働白書」を報告。第1部では、「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」と題し、厚労白書として初めて「こころの健康」について取り上げた。「こころの健康」を取り巻く環境や現在の取組みを紹介し、今後の取組み、社会のあり方の方向性を考察(P.16)
▼厚労省は8月30日、2025年度同省予算概算要求及び税制改正要望を財務省に提出。一般会計総額は34兆2763億円(対前年度当初予算比4574億円増)で過去最大規模。このうち、年金・医療等に係る経費は32兆4375億円(同3677億円増)。24年度に国費430億円を追加した被用者保険への財政支援は前年度予算と同額の1250億円を要求。子ども・子育て支援金制度等の周知啓発を行う健保組合等への財政支援も盛り込む(P.6)
▼こども家庭庁は8月30日、財務省に2025年度予算概算要求を提出。一般会計要求総額は4兆2189億円で対前年度当初予算比732億円増。また、子ども・子育て支援特別会計は2兆2410億円(対前年度当初予算比1661億円増)で、このうち子ども・子育て支援勘定は1兆1766億円(同390億円増)、育児休業等給付勘定は1兆645億円(同1271億円増)。支援金制度施行に向けた保険者のシステム改修支援は事項要求(P.20)

医療・医療保険

▼厚労省は8月8日、2022年度後期高齢者医療事業年報を公表。平均被保険者数は1874万2千人で、前年度比58万6千人、3.2%増加。医療費総額は17兆8379億円で、同7617億円、4.5%増となり、被保険者数の伸びを上回る伸びに(P.44)
▼厚労省・国際戦略推進本部は8月26日、「厚生労働省国際保健ビジョン」をとりまとめ、公表。2025年に「UHCナレッジハブ」を創設すること等を掲げる(P.19)
▼新たな地域医療構想等に関する検討会は8月26日、①2040年頃の医療をとりまく状況と課題、②これまでの地域医療構想、③40年頃を見据えた目指すべき医療について議論。厚労省は、新たな地域医療構想を策定する方針を示し、委員も概ね賛同(P.18)
▼武見厚労相は8月30日の閣議後記者会見で、「近未来健康活躍社会戦略」を公表。「経済社会のダイナミズムが、国内・海外に広く行き渡るエコシステムの構築」を掲げ、国内戦略と国際戦略の二つの柱から方向性を提示。国内戦略のうち医師偏在是正については、年末に「総合的な対策のパッケージ」を策定することとし、「医師偏在対策推進本部」を設置して検討を加速化(P.38)
▼社保審・医療保険部会は8月30日、マイナ保険証の利用促進等、後期高齢者医療の窓口負担割合の見直しの影響、医療DXのさらなる推進について議論。医療DXの推進について厚労省は、法整備に向けて検討が必要な事項の全体像を示したうえで、9月以降、社保審・医療部会、医療保険部会で概ね月1回議論することを要請(P.14)

時事評論

遺族年金の見直し
神奈川県立保健福祉大学教授 西村 淳

論  壇

合理的配慮の法的仕組み
―障害者との共生の技法―
関西大学教授 福島 豪

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