医療・医療保険
▼厚労省は8月25日、2023年度の国民健康保険事業年報、後期高齢者医療事業年報を公表。国保の被保険者数は市町村2309万2千人、国保組合257万人、合計2566万2千人で前年度末より111万人減少。医療費は10兆5427億円で前年度より減少。1人当たり医療費は39万9153円で前年度より3.4%増加。後期高齢者医療の被保険者数は1941万8千人で、前年度に比べ67万6千人、3.6%増加。医療費は18兆7,982億円で、前年度に比べ増加。1人当たり医療費は96万8102円で、前年度に比べ1.7%増加(P.6)
▼厚労省は8月25日、2023年度の国民健康保険(市町村国保)と後期高齢者医療制度(後期高齢者広域連合)の財政状況を公表。市町村国保の決算補填等目的の一般会計繰入金を除いた精算後単年度収支差引額は1803億円の赤字で、前年度から736億円の赤字増。後期高齢者医療広域連合の収支差引合計額は3490億円の黒字で、前年度の3905億円の黒字から415億円減少(P.22)
▼医療等情報の利活用の推進に関する検討会は9月3日、初会合を開き、医療等情報の二次利用の推進に向けて、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」及び「規制改革実施計画」(いずれも2025年6月13日閣議決定)を踏まえた検討を開始。12月を目途に中間とりまとめ、26年夏を目途に議論の整理をまとめ、法改正が必要な場合には、27年通常国会への法案提出を目指す(P.14)
▼社保審・医療部会は9月4日、2026年度診療報酬改定の「基本方針」策定に向け議論を開始。医療関係団体の委員からは、病院・診療所を問わず全国的に医療機関の経営状況が悪化し、賃上げ・物価高騰へ対応できていないことから、大幅な診療報酬の引上げを求める意見があった。保険者等団体の委員からは、診療報酬だけで全てを賄うのではなく、税制や補助金を適切に組み合わせて検討する必要性を指摘する意見があった(P.16)
▼医道審・医道分科会診療科名標榜部会は9月4日、2008年2月以来、約17年ぶりに会合を開き、標榜可能な診療科名として新たに「睡眠障害」を加えることについて検討を開始。26年3月頃に部会としての議論をとりまとめたうえで、医学医術に関する学術団体への意見照会、パブリックコメント等の必要な手続きを経たうえで、改正法令を公布・施行するスケジュールに(P.12)
介 護
▼厚労省は8月28日、2023年度介護保険事業状況報告を公表。23年度末現在の第1号被保険者数は3589万人(対前年度末4.5万人、0.1%増)、要介護(要支援)認定者数は708万人(同14万人、2.0%増)、認定率は19.4%(同0.4ポイント増)に。23年度の給付費は10兆8263億円(対前年度3163億円、3.0%増)となり、制度開始時(3兆2427億円)の約3.3倍で過去最高(P.36)
労 働
▼厚労省は8月7日、「2024年労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表。事業所調査では、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は63.2%で、取組内容(複数回答)は「ストレスチェックの実施」が65.3%で最も多い。労働者調査では、仕事や職業生活で「強いストレス」を感じる事柄がある労働者は68.3%に(P.13)
時事評論
医療機器の償還制度?
慶應義塾大学名誉教授 印南 一路
論 壇
中国におけるインフォーマル就業者の社会保険包摂
―脱雇用契約化と官民協働―
千葉商科大学教授 朱 珉