週刊社会保障 2025.6.2 No.3319

国  会

▼衆院本会議は5月20日、福岡厚労相から「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」(年金制度改正法案)の趣旨説明を聴取し、石破首相出席の下、質疑。本会議終了後、衆院厚労委は福岡厚労相から趣旨説明を聴取し、21、23日に質疑。自民・公明・立憲は修正協議を進め、26日に立憲提案の内容による修正案要綱を大筋合意(P.6)
▼衆参両院は5月21日、党首討論を実施。石破首相は、年金制度改正法案について、「会期は残りわずかであるが、わが党としても、濃密な審議に力を尽くし、成案を得ていきたいし、決して政争の具にしてよいものではない。野党の皆様と誠心誠意議論をしていきながら、よい結果を見出すためにわが党は最大の力を尽くしていく」とのべる(P.20)

社会保障全般

▼自民党社会保障制度調査会の「幸齢社会」に向けた包括的支援PTは5月13日、提言「『新しい社会保障』に向けて」をとりまとめ。重点的に取り組むべき事項として、高齢者等終身サポート事業者における質の確保、身寄りがない高齢者等を地域で支えるための先進自治体の好事例モデル化と全国への横展開等をあげる(P.21)
▼地域共生社会の在り方検討会議は5月20日、中間とりまとめ案を大筋で了承し、28日に公表。身寄りのない高齢者対応などの検討事項に対し、日常生活自立支援事業を拡充・発展させた新たな第二種社会福祉事業の立ち上げの提案等を盛り込む(P.19)
▼自民、公明、維新の三党は5月23日、社会保障改革に関する実務者協議で、これまでの協議を踏まえたとりまとめ文書をもとに議論。病床再編の拡大と医療DXの加速化を進めていく方向性を盛り込む(P.21)

医療・医療保険

▼健保連は5月8日、「2026年度政府予算概算要求に向けた個別要望事項」を厚労省の鹿沼保険局長に提出。重点要望事項では、「高齢者医療運営円滑化等補助金の継続・拡充」、「後期高齢者・現役並み所得者の給付費への公費投入」、「高額医療交付金交付事業に対する財政支援の拡充」等を求める(P.22)
▼中医協・診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等調査・評価分科会は5月22日、2024年度入院・外来医療等における実態調査結果(速報値)をまとめるとともに、26年度診療報酬改定に向けて急性期入院医療、DPC制度等について議論。急性期一般入院料1の届出が1478病院から1223病院に減少(P.36)
▼同友会は5月23日、提言「予防・健康づくりは“コストからアセットへ”」を公表。「民間サービス提供者の新規事業創出・投資拡大の推進」と「個人への動機づけを行う企業および地域の施策」の必要性を指摘(P.18)
▼社保審・医療保険部会の高額療養費制度の在り方専門委員会は5月26日、初会合を開き、実施を見合わせた高額療養費制度の見直しについて、患者団体も含めた関係者による検討を開始。今年秋までに改めて方針を検討し、決定(P.16)

時事評論

猶予なく急迫する2040年問題
日本大学名誉教授 大道 久

論  壇

高額療養費制度への保険論的視角
法政大学教授 長沼 建一郎

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