週刊社会保障 2025.5.5‐12 No.3316

社会保障全般

▼総務省は4月14日、2024年10月1日現在の人口推計を公表。65歳以上人口は3624万3千人で、前年比1万7千人増加し、総人口に占める割合は29.3%(前年比0.2ポイント増)、うち75歳以上人口は2077万7千人でいずれも過去最多(P.20)
▼自民党の医療・介護・福祉の現場を守る参院議員有志は4月18日、「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」で、石破首相あての「緊急要望」を決議。物価・賃金の上昇に対応した診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の仕組み等を要請(P.23)
▼自民、公明、維新の三党は4月23日、社会保障改革に関する実務者協議を開き、病床数の削減策、医療DXの推進策について議論。維新は、病床数の削減により医療費を年間約8000億円削減できると試算。自民・公明は、病床数削減には概ね賛同しつつ、さらなる検証を要するとして合意には至らず。次回はOTC類似薬の保険適用除外に関して、厚生労働省が試算を示し、議論(P.22)
▼財政審・財政制度分科会は4月23日、「持続可能な社会保障制度の構築」をテーマに、①総論、②医療・介護の理想像、③医療、④介護、⑤障害福祉、⑥生活保護等の柱に沿って、現状と課題、改革の方向性等について議論。社会保障関係費について、その伸びを高齢化による増加内におさめる方針の継続、現役世代の負担抑制のため医療・介護給付費の伸びを雇用者報酬の伸びと同水準にする必要性を強調。2026年度診療報酬改定については、新たな地域医療構想や医師偏在対策の強化等につながる、メリハリのある改定の検討を求める(P.28)

医療・医療保険

▼高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟は4月23日、総会を開き、会長に一任していた役員案を了承するとともに、立教大学の安藤道人教授から「高額療養費上限額引き上げ案の衝撃と教訓」をテーマにヒアリング(P.23)
▼健保連は4月23日、2025年度健保組合予算早期集計結果を公表。25年度の経常収支状況は、経常収入9兆3936億円(対前年度予算比4.3%増)、経常支出9兆7717億円(同1.1%増)で、経常収支差引額は△3782億円の赤字。賃上げと被保険者数の増加による保険料収入の増加によって前年度予算の赤字幅(△6582億円)から改善がみられるものの、赤字組合は1043組合で全体の76.0%(P.44)

年  金

▼自民党・厚労部会は4月24日、年金制度改正法案の法案審査を実施。①被用者保険の適用拡大、②在職老齢年金制度の見直し、③遺族年金の見直し、④標準報酬月額の上限の段階的引上げ、⑤私的年金制度の見直し(個人型確定拠出年金の加入可能年齢の引上げ)、⑥その他の改正等を講じる。基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了措置については法案に規定せず、報酬比例部分の給付調整を次期財政検証の翌年度(30年度を予定)まで継続する。5月中旬までの法案提出を目指す(P.18)

介  護

▼社保審・介護保険部会は4月21日、厚労省事務局から「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会の中間とりまとめを聴取し、議論。中間とりまとめの方向性を踏まえ、次回以降、議論を深めていく。(P.25)

時事評論

年金制度改革を着実に進めよ
日本赤十字社社長 清家 篤

論  壇

境界線を曖昧化する韓国の社会保障制度改革
―「現金/サービス」、「普遍/選別」、「防貧/救貧」―
東京大学大学院教授 金 成垣

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