社会保障全般
▼福岡厚労相と加藤財務相は12月25日、2025年度政府予算案に向けた大臣折衝を行い、合意。社会保障関係費は、24年度比で5600億円程度増の38兆2800億円程度に。薬価改定は、薬剤費を2466億円（国費648億円）削減。高額療養費制度の見直しは、70歳以上の外来特例も含めて自己負担限度額の引上げと所得区分の細分化を段階的に行う（P.6）
▼諮問会議は12月26日、「EBPMアクションプラン2024」及び「経済・財政新生計画 改革実行プログラム2024」を決定。社会保障分野では、医療・介護サービスの提供体制の構築、給付と負担の在り方等に関連する施策を盛り込む（P.18）
▼政府は12月27日、2025年度政府予算案を閣議決定。厚労省予算案は総額34兆2904億円（対前年度当初予算比4715億円、1.4％増）で過去最大を更新（P.6）
医療・医療保険
▼協会けんぽ・運営委員会は12月23日、2025年度平均保険料率等について議論し、25年度も「10％維持」で意見集約（P.26）
▼厚労省・医師偏在対策推進本部は12月25日、「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」をとりまとめ。医療法に基づく「医療提供体制の確保に関する基本方針」（厚生労働大臣告示）に位置づける（P.20）
▼中医協は12月25日、薬価専門部会を開き、2025年度薬価改定の「骨子」をとりまとめ。全品目の53％が改定対象となる見込みであり、財政影響は薬剤費△2466億円、国費△648億円（P.16）
▼社保審・医療保険部会は12月26日、被用者保険の適用拡大及びいわゆる「年収の壁」への対応、入院時の食費について、厚労省事務局が示した方向性を了承。同日の議論等を踏まえ厚労省は、2025年度予算案における診療報酬上の対応として、入院時の食費基準を１食当たり20円引上げることとし、引上げ分は患者負担で対応する（P.17）
▼健保連は12月27日、佐野会長代理名で「令和７年度政府予算編成及び医療保険制度改革、薬価改定等への見解」を公表。高額療養費見直しや薬価改定等実施を評価（P.23）
年 金
▼社保審・年金部会は12月24日、「議論の整理」を概ね了承し、一部修正を経て翌25日に公表。①ライフスタイル等の多様化の反映・働き方に中立的な制度の構築、②高齢期の経済基盤の安定や所得保障・再分配機能の強化との方向性のもと、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了等に対する意見を整理（P.36）
▼社保審・年金事業管理部会は12月25日、年金機構から2024年度上期の取組状況について報告を聴取。国民年金保険料収納対策では、９月末の24年度現年度納付率は72.5％、22年度分保険料の最終納付率は83.9％に（P.22）
▼社保審・企業年金・個人年金部会は12月26日、「議論の整理」を了承し、翌27日、2025年度税制改正大綱を踏まえたDCの拠出限度額引上げ額を参考として付した形で公表（P.36）
時事評論
介護保険料にみる支え合いの仕組み
早稲田大学教授 野口 晴子
論 壇
豊かなオランダの不平等と空間的分断
熊本大学大学院准教授 島村 玲雄