週刊社会保障 2025.8.25 No.3330

社会保障全般

▼厚労省は7月25日、2024年簡易生命表を公表。平均寿命(0歳の平均余命)は、男は81.09年で前年比横ばい、女は87.13年で前年を0.01年下回る。平均寿命の男女差は6.03年で、前年より0.01年縮小(P.14)
▼社人研は7月29日、2023年度「社会保障費用統計」を公表。社会支出(OECD基準)の総額は139兆4928億円(前年度比2兆8266億円、2.0%減)、社会保障給付費(ILO基準)の総額は135兆4928億円(同2兆6809億円、1.9%減)に。社会支出、社会保障給付費ともに2年連続で減少。新型コロナ対策関係費の大幅減少等が影響。社会保障給付費の部門別では、「医療」が45兆5799億円(同3兆1890億円、6.5%減)、「年金」が56兆3936億円(同6029億円、1.1%増)、「福祉その他」が33兆5192億円(同948億円、0.3%減)となっている(P.6)
▼労災保険制度在り方研究会は7月29日、中間報告書(案)を了承、翌30日に公表。遺族(補償)等年金における夫と妻の支給要件差異解消等の方向性を示している。労働基準法が適用される労働者以外の就業者への労災保険法の強制適用については、労働基準法上の「労働者」に関する概念の議論も踏まえつつ引き続き議論が必要と結論(P.15)
▼諮問会議は8月7日、内閣府が提出した内閣府年央試算、中長期の経済財政に関する試算について議論するとともに、2026年度予算の全体像及び同概算要求基準案を了承。中長期試算では26年度の国・地方のPBが黒字となる見通し(P.17)
▼政府は8月8日の臨時閣議で、「令和8(2024)年度予算の概算要求について」を了解。年金・医療等に係る経費は、25年度当初予算額36.2兆円に、高齢化等に伴ういわゆる自然増4000億円を加算した額の範囲内での要求とし、予算編成過程で高齢化による増加分相当の伸びに、「経済・物価動向等を踏まえた対応」相当の増加分を加算。各府省は8月末までに財務省へ予算概算要求を提出(P.16)

厚生労働行政

▼厚労省は7月29日の閣議に、「令和7(2025)年版厚生労働白書」を報告。第1部では、「次世代の主役となる若者の皆さんへ―変化する社会における社会保障・労働施策の役割を知る」と題し、厚労白書として初めて「社会保障教育・労働法教育」を取り上げた。若者に社会保障・労働施策への理解と普及を図るための方向性等を示す(P.12)
▼厚労省の7月8日付の人事異動で就任した間隆一郎保険局長、朝川知昭年金局長、辺見聡政策統括官(総合政策担当)はこのほど、専門誌記者クラブの共同取材に応じ、就任の抱負や今後の課題等を語る(P.22)

医療・医療保険

▼厚労省は7月23日の中医協・総会に、2024年8月1日現在の主な施設基準の届出状況、主な選定療養の報告状況を説明。24年度診療報酬改定で新設した地域包括医療病棟入院料の届出は、49病院・2045床。かかりつけ医機能関連項目では、 機能強化加算、地域包括診療料、地域包括診療加算の医療機関がいずれも増加(P.44)
▼中医協は8月6日、総会、費用対効果評価専門部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会を開き、総会では費用対効果評価の結果を踏まえ、認知症薬「レケンビ」をはじめ17品目4成分の薬価を引下げ(P.18)

時事評論

自営業者・無職者をターゲットとする健診効果
早稲田大学教授 野口 晴子

論  壇

スポーツ選手と社会保障
―循環的な支え合いに向けて―
福岡大学教授 山下 慎一

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