社会保障全般
▼内閣府は８月２日、2024年度年次経済財政報告（経済財政白書）を公表。「熱量あふれる新たな経済ステージへ」を副題に、第３章「ストックの力で豊かさを感じられる経済社会へ」では、高齢者就業の現状と課題を分析し、高齢者の就労意欲を後押しする各種制度の見直しの重要性を強調（P.12）
医療・医療保険
▼厚労省は８月８日、2022年度の国民健康保険（市町村国保）と後期高齢者医療制度（後期高齢者医療広域連合）の財政状況を公表。市町村国保の単年度収支差引額は1192億円の赤字。また、決算補填等目的の一般会計繰入金を除いた精算後単年度収支差引額は1067億円の赤字で、前年度から1000億円増（P.44）
▼厚労省は８月20日、医療ＤＸに係る診療報酬上の評価の見直しについて、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」（令和６年厚生労働省告示第262号）等を告示するとともに、関係通知を発出（P.17）
▼妊娠・出産・産後支援策等検討会は８月21日、妊産婦の当事者等の参考人からヒアリング。出産等に係る費用負担について、自己負担の軽減や無償化を求めるとともに、費用の見通しの不透明さを指摘（P.17）
▼日医は８月21日の記者会見で、医師偏在に対する考え方を説明。公的・公立病院の管理者要件や医師少数地域の開業支援等の５項目を示したうえで、国が1000億円規模の「医師偏在対策基金」を創設することを要望（P.15）
▼医療機能情報提供制度・医療広告等分科会は８月22日、医療機能情報提供制度の報告項目の見直し等を議論。厚労省事務局が報告した医療機能情報提供制度における2023年度定期報告率（病院、診療所、歯科診療所及び助産所の合計）は全国平均73.5％（P.10）
年 金
▼厚労省は８月２日、2023年度の厚生年金保険・国民年金の収支決算を公表。収支決算（簿価ベース）をみると、厚生年金の歳入歳出差は２兆3616億円（前年度比１兆6728億円増）、国民年金の歳入歳出差は2377億円（同1302億円増）となり、決算結了後の年金積立金は、厚生年金が117兆1309億円、国民年金が８兆1232億円で計125兆2541億円（時価ベースは255兆5650億円）で過去最高額（P.6）
▼自民党・年金委員会は８月26日、次期年金制度改正の方向性、障害年金制度、遺族年金制度等について厚労省から説明を聴取し、意見交換（P.16）
雇用・労働
▼厚労省は７月25日、「2023年労働安全衛生調査（実態調査）」の結果を公表。仕事や職業生活に関する強いストレスを感じている労働者のストレス内容は、「仕事の失敗、責任の発生等」が最多（P.14）
▼雇用政策研究会は８月23日、同研究会報告書を公表。今後の労働市場において重要となる「多様な個人の労働参加」、「新たなテクノロジー等を活用した労働生産性の向上」、「労働市場のインフラ整備等」の３つの柱について、今後の政策の方向性を提言（P.19）
時事評論
変わりゆく臓器移植制度
津田塾大学教授 伊藤 由希子
論 壇
介護保険第２号被保険者の負担
北海道大学大学院准教授 川久保 寛