週刊社会保障 2024.8.26 No.3281

社会保障全般

▼厚労省は7月26日、2023年簡易生命表を公表。平均寿命(0歳の平均余命)は、新型コロナ等の死亡率の変化により、男女とも3年ぶりに前年を上回り、男は81.09年、女は87.14年に。平均寿命の男女差は6.05年で、前年より0.01年拡大(P.13)
▼社人研は7月30日、2022年度「社会保障費用統計」を公表。社会支出(OECD基準)の総額は142兆3215億円(前年度比6683億円、0.5%減)、社会保障給付費(ILO基準)の総額は137兆8337億円(同9189億円、0.7%減)に。社会保障給付費の部門別では、「医療」が48兆7511億円(同1兆3306億円、2.8%増)、「年金」が55兆7908億円(同244億円、0.04%減)、「福祉その他」が33兆2918億円(同2兆2251億円、6.3%減)となっている(P.6)
▼高齢社会対策大綱策定検討会は8月5日、報告書をとりまとめ。若年世代から高齢世代までの全ての人が、それぞれの状況に応じて、「支える側」にも「支えられる側」にもなれる社会を目指すべきことを強調。在職老齢年金制度の見直しの必要性等を指摘(P.12)

医療・医療保険

▼厚労省は7月30日付で、保険局高齢者医療課長名の「令和6年度高齢者医療運営円滑化等事業(高齢者医療支援金等負担金助成事業)の実施について」(保高発0730第1号)を、健康保険組合理事長、共済組合理事長、日本私立学校振興・共済事業団理事長に通知。24年度の円滑化等補助金は、従来の720億円に、賃上げ等により一定以上の報酬水準が引き上がった健保組合に対する補助(230億円)を加えた950.4億円となり、ここから旧給付費等臨時補助金分7.9億円を除いた942.5億円を財源として実施(P.15)
▼中医協は8月7日、薬価専門部会、総会を開催。薬価専門部会では、中間年改定となる2025年度薬価改定等について関係業界からヒアリングし、「実施する状況にはない」との意見があった。また、厚労省事務局は、2021年度の薬剤費が9.8兆円で、国民医療費(45兆360億円)に占める割合が21.8%であったことを報告した(P.14)

年  金

▼社保審・資金運用部会は7月26日、GPIFの2023年度業務実績評価、第4期中期目標期間(20~24年度)業務実績見込評価、業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容について議論。資産運用について、変動が大きく不安定な市場環境への対応を評価し、総合評定は「A」評価に(P.16)
▼社保審・年金部会は7月30日、厚労省事務局が示した遺族年金と障害年金の見直しの方向性をもとに議論。遺族年金では、20代から50代に死別した子のない配偶者の遺族厚生年金を男女問わず5年間の有期給付とすることや、有期給付の拡大に伴う配慮措置として、死亡時分割の導入、収入要件の廃止、有期給付加算の創設を行うこと等を提案。障害年金では、特例措置である「直近1年要件」の10年間延長を提案(P.36)

時事評論

雇用における自己決定権拡大
日本赤十字社社長 清家 篤

論  壇

ドイツ公的介護保険の今後
―「部分保険」から「全部保険」へ?
成城大学教授 森 周子

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