社会保障全般
▼働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会は7月1日、修文を座長一任のうえ、「議論の取りまとめ」を了承し、3日に公表。優先度の高い見直しの方向性として、短時間労働者の適用拡大における企業規模要件の撤廃と、5人以上個人事業所の非適用業種解消を掲げる(P.16)
医療・医療保険
▼保険者による健診・保健指導等に関する検討会は7月2日、書面開催し、厚労省事務局が示した後期高齢者支援金の加算・減算制度の2025年度の見直し案を大筋了承。見直し案では、総合評価指標の項目追加、配点の見直し・比重変更を行う。項目としては、「デジタル活用推進」、「重複投薬・多剤投与対策」、「こどもにとってより良い医療の在り方」、「性差に応じた健康支援」、「ロコモティブシンドローム対策」を追加。配点の見直しでは、「特定健診・保健指導の実施率」を引き下げる(上限50点→10点)。既存項目では、がん検診や生活習慣改善の配点を引き上げる(P.21)
▼社保審・医療保険部会は7月3日、「被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」の議論の取りまとめ、マイナ保険証の利用促進について議論。健保連会長代理の佐野委員は、被用者保険の適用拡大が健保組合等に与える影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策を行うことを求めた。このほか、厚労省事務局が報告したこどもの医療に関する取組みの状況、「骨太の方針2024」等の内容を踏まえ、意見交換(P.20)
▼かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会は7月5日、報告を求めるかかりつけ医機能の内容、厚労省事務局が示した「議論の整理案」等について議論(P.22)
▼協会けんぽは7月5日、2023年度決算見込み(医療分)を公表。収入は11兆6104億円、支出は11兆1442億円で、収支差は4662億円、14年連続の黒字決算。この結果、23年度末の準備金残高は5兆2076億円となり、法定準備金の5.95か月分相当に(P.42)
▼全総協はこのほど、傘下の242組合の2023年度決算見込をとりまとめ。対前年度比で保険給付費は5.89%、高齢者拠出金等は8.96%の伸びとなり、全体では565億9千万円の赤字決算。赤字は158組合(全体の65.3%)、黒字は84組合(同34.7%)に(P.18)
年 金
▼社保審・年金部会は7月3日、厚労省事務局から2024年財政検証及びオプション試算の結果を聴取。財政検証では、4ケースの経済前提に基づき、2120年までの財政見通しを試算。オプション試算では、さらなる適用拡大、基礎年金45年化、マクロ経済スライドの調整期間一定で、基礎年金水準が上昇することにより、平均年金額上昇や低年金減少への効果が確認された(P.6)
雇用・労働
▼労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会は6月21日、女性の健診に関する事項について議論。月経困難症等に関する問診の在り方等が論点に(P.23)
▼厚労省は6月28日、2023年度過労死等の労災補償状況を公表。過労死等に関する請求件数は4598件(対前年度比1112件増)、支給決定件数は1097件(同193件増)で、いずれも過去最多に(P.19)
時事評論
パートナーシップ制度の導入と出生率
早稲田大学教授 野口 晴子
論 壇
イギリスにおける社会保障給付水準の改定
九州大学大学院教授 丸谷 浩介